4.25.2010

第1回 鹿ツアー (5)

第5章
かわいいお尻を見送り 里へ下る。
腹ごしらえは 何とも怪しい 本場のタイ料理屋さん。
みんな うまい 辛い うまい としか 言葉を交わさずに むしゃぶりつく。
さてと。
左は 鹿、右は布団。
どうするか。

ハンドルは 左回りに 回っていた。

あの女の 寝息を聞きながら 夜の森へ。

きっと 大群が 出迎えてくれる事を 夢に見ながら。




日が落ちた 廃れた テーマパークの 電飾に飾られた 湖は 瞬き
まるで 冬の ようだ。

第一草原へ上った頃には 気温は−5度を下回っていた。
これは危ない 気温だ。
そこには 牛すらも姿をくらませ 怪しく 光る 月があるだけだ。

ちょっと待て。ハイビームに映し出された 目。

これは きっと 姿の見えない 鹿たちに 囲まれているはずだ。

懲りずに 第2大草原へ。

草原の向こうに見える 町の光を見ていると
「あれ?なにかいる。何かの陰が うごいている。」

そう 大群だ。

影絵のように 鹿のシルエットは映し出される。
興奮が止まらない。

内に秘められずに 出てしまった あの女の声が あたりに
響き渡る。

(キィとピィを混ぜて 高く発してください。鹿への危険信号です)

影絵が 森へ去っていく。

感動的に 美しい光景は カメラには写してはいけない。

つづく

0 件のコメント:

コメントを投稿